「エレクターシェルフ ベーシック」をルミナスラックと比較してみた

当ブログは広告を掲載しています。詳細はこちら

ホームエレクター

私は独身時代、無印良品とホームエレクターでワンルームマンションの部屋をコーディネートしていました。上写真のシェルフの天板に炊飯器を置き、下段には食品や日用品のストックを収めていました。その後も20年以上使い続け、現在は妻の実家でレンジラックとして使ってもらっています。

このようにホームエレクターは、人類が滅亡しても生き残るんじゃないかと思うほど丈夫で使い勝手が良いものです。しかし、ずっとそのままで勝手に売れ続けるものではなく、2023年1月から「エレクター・ベーシックシリーズ」にリニューアルされています。

過去の話はさておき、エレクターの現在地はどのようになっているのでしょうか。詳しく見てまいりたいと思います。

※この記事は2024年7月18日時点の情報に基づいています

エレクターシェルフ ベーシック

日本ではスチールワイヤーラックのトップシェアはドウシシャの「ルミナスラック」ですが、アメリカでは現在もエレクターがNo.1です。1956年の発売以来、半世紀以上も食品や医療の現場を中心に高い信頼性で支持されています。日本への輸入開始は1966年です。

エレクターと言えばもともとパーツのバラ売りだけでしたが、現在はセット品も販売されています。また、クローム色だけでなく、ホワイト色とブラック色が定番色となっています。

ホームエレクターからエレクターシェルフベーシックにリニューアルされたものの、新旧製品は互換性があります。ただし、ホワイト色とブラック色はツヤ有りからマット仕上げに変わっています。また、ポストはポールに呼称が変わるとともに、SUS304ステンレスからSUS430ステンレスに変更されました。耐食性という点では劣化したものの、価格は安くなっています。ほか、コーナーリングと三角プレートのロゴが変更になりました。

リニューアルとともに、ブランチシェルフやパンチングシェルフなど一部のパーツが廃番になりましたが、あまり大きな影響はないと思います。また、ホームエレクターの姉妹商品という位置付けだったヴィンテージシリーズが、エレクターベーシックの「ヴィンテージエディション」というポジションに変更されています。

特徴

ポールがSUS430ステンレス製

エレクターシェルフベーシックの特徴を見てまいりましょう。基本的にエレクターは同業他社のスチールワイヤーラックと比較して高価です。その理由のひとつは、ポールがSUS430ステンレス製であることが挙げられます。

他社製ワイヤーラックの多くはスチールパイプにクロムメッキを施したものです。ルミナスラックはさらにクリアコーティングを施すことで防錆性を高めていますが、経年劣化などでコーティングが剥がれればサビる可能性があります。その点、SUS430ステンレス製のポールは高コストながら非常にサビにくいと言えます。

独自のパーツ

他社にはない独自のオプションパーツもエレクターを選ぶ動機のひとつになるでしょう。上写真の「ベントポール」はシェルフの下段と上段で棚板の奥行を変えたいときに使うものです。これを手前にセットすれば、たとえば下段は奥行450mmのデスク、上段は奥行300mmの書棚として使うことができます。

そのほかにエレクター独自のパーツと言っても現在は「ハンドル型ポール・キャスターセット」くらいしかないのですが、今後復刻されることを期待しましょう。

色とサイズのオーダーが可能

大手メーカーのスチールワイヤーラックはサイズバリエーションが豊富なことが魅力のひとつです。エレクターもそうですが、さらにサイズとカラーをオーダーすることができます。ワイヤーシェルフ(棚板)は25mm刻みで538サイズ、ポールは25.4mm刻みで88サイズ、カラーは6色からオーダー可能です。

ちなみに、既製品のエレクターは台湾と中国で製造されていますが、オーダー品は日本の甲府工場で作られています。ドウシシャのルミナスラックもアイリスオーヤマのメタルラックも基本的に中国製ですから、とことんこだわりたい方はエレクターのオーダーシェルフを選ぶと良いでしょう。

ルミナスレギュラーとの比較

ブランド エレクター ルミナス
シリーズ ベーシック レギュラー
品番 RBR3618745C NLH9018-5
サイズ(mm) 900×450×1900 915×460×1795
キャスター 別売 付属
棚板枚数 5枚
耐荷重 全体 675kg 500kg
棚板1枚当 135㎏ 250kg
材質 棚板 スチール(クロームメッキ&クリアコーティング)
ポール SUS430ステンレス スチール(クロームメッキ&クリアコーティング)
税込価格 36,383円 12,800円

※ルミナスの高さはキャスターをセットした場合、全体耐荷重はアジャスター脚装着の場合 ※価格はいずれもフロアーズの場合

最後に、現在日本でもっともシェアを握っているルミナスラックのレギュラーシリーズと比較してみたいと思います。

一般的な幅900×奥行450×高さ1800mmくらいのサイズで比較すると、まずキャスターの有無という違いがあります。エレクターはキャスター別ですが、これは好みに応じて複数ある選択肢からキャスターを選んでもらいたいという意図があると考えられます。

耐荷重の違いについてはメーカーによって異なるため、何とも言えないところがあります。ただ、棚板1枚あたりの耐荷重がルミナスのほうが2倍近くも大きい理由は、棚板底面に反り止め(補強桟)が入っているからと考えられます。

棚板の材質については、いずれもクロームメッキのクリアコーティング仕上げです。ポールはエレクターのほうがハイスペックと言えます。

そんなこんなで価格は3倍ほどエレクターのほうが高いです。オールステンレスならともかく、ポールだけステンレスのエレクターを選んでも意味がないと感じる人が多いのは当然と言えるのかもしれません。

 

というわけで、エレクターシェルフベーシックには一般的なスチールワイヤーラックでは実現できない様々なこだわりを実現することができます。私自身ももともとエレクター派だったので、優越感があるのは間違いありません。

ただ、ポールはサビなくても棚板のクリアコーティングが劣化して剥がれてきたらサビは出てくるんですよね。それを避けるにはスーパーエレクターのステンレスモデルを購入する必要があります。ただし、価格はベーシックの3倍以上になります。

それだったら、すずメッキの「ルミナス プレミアム」のほうがコスパが良いと思います。価格はエレクターベーシックとほぼ同じです。所詮はメッキなので、ステンレスには及びませんが。

ともあれ、エレクターのユーザーから見れば他社製品はすべて”バッタもん(まがいもの)”です。シェアが下がっても、ラインナップが見劣りしても、信頼性は揺るぎません。安心できるだけでなく満足して使い続けられることは間違いないでしょう。

関連記事

無印良品のワイヤーシェルフはステンレスユニットシェルフの専用パーツ
無印良品にはパイン材のほか、スチール、ステンレスのユニットシェルフがあります。その中のステンレスユニットシェルフに「ステンレスワイヤー追加棚」というワイヤーシェルフのオプションパーツが用意されているのです。
ルミナスラックのパンチングシェルフは廃番!代わりにソリッドシェルフなどを
この記事は2024年3月3日時点の情報に基づいています 数年前(2020年頃?)まで、ドウシシャ「ルミナスラック」にはパンチングシェルフ(棚板)がありました。 ルミナスレギュラー(φ25mm)パンチングシェルフ ネイビーのほか、アイボリー、...
プロフィール
この記事を書いた人
収納マン

日本で初めて一般家庭向け収納&インテリア・コーディネートサービスを始めて20年余りの収納&インテリアのプロ。これまでたくさんのワイヤーシェルフを組み立ててきました。独身時代はエレクターを中心としたコーディネートで、その後もメタルラックやルミナスラックを愛用しています。詳しいプロフィールはこちら

収納マンをフォローする
エレクターシェルフ
収納マンをフォローする

コメント