実は「おねだん微妙」ニトリのメタルワイヤーラックのラインナップ

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ニトリ堺中央環状店

1967年に札幌市で似鳥家具店として創業した現在のニトリは、家具だけでなく日用雑貨まで幅広く取り揃えたホームファッション業態です。模様替えをしようと思ってもダイニングテーブルは簡単に買い替えることはできませんが、ランチョンマットなら気軽に取り替えてコーディネートを楽しむことができます。そういうライフスタイルを楽しむことを志向する業態です。

そんなわけでニトリには誰の手にも届きやすい価格帯の商品を取り揃えています。もちろん、メタルワイヤーラックもあります。

しかし、「安かろう悪かろう」ではなく本当に「おねだん以上」なのでしょうか。ラインナップを詳しく見て参りたいと思います。

※この記事は2024年7月22日時点の情報に基づいています

【φ22mm】スチールラックCUSTOM

スペック

ポール直径 22mm
棚板ピッチ 25mm
キャスター 別売
カラー 3色
耐荷重 棚板1枚あたり 40kg
ラック全体 100kg

ラインナップ

段数等 サイズ(mm) 税込価格
60cm 2段 600×400×950 4,990円
3段 600×400×1378 5,490円
4段 600×400×1815 5,990円
追加棚板 600×400×40 1,490円
リバーシブルボード 580×380×5 1,190円
PPシート 584×384×1 699円
85cm 2段 850×400×950 5,490円
3段 850×400×1378 5,990円
4段 850×400×1815 6,990円
追加棚板 850×400×40 1,990円
リバーシブルボード 830×380×5 1,490円
PPシート 834×384×1 999円
115cm 2段 1150×400×950 6,490円
3段 1150×400×1378 6,990円
4段 1150×400×1815 7,990円
追加棚板 1150×400×40 2,290円
リバーシブルボード 1130×380×5 1,990円
PPシート 1134×384×1 1,190円
キャスター4個セット 73×45×85 599円

ニトリのメタルワイヤーラックは現在、3つのシリーズで展開されています。ポール直径22mmの「スチールラックCUSTOM」、同19mmの「STANDARD」、同15mmの「LT」の3つです。まずは最上位モデルのCUSTOMから見て参りましょう。

メタルワイヤーラックは大手各社がポール直径25mmと基本としているところ、ニトリだけが22mmを基本としています。これは2015年に発売された「ISS」シリーズからで、2017年発売の「HD」シリーズを経て、現在のCUSTOMシリーズは2019年から販売されています。なお、これらの間には互換性はありません。

ポール直径22mmを基本としているのはニトリだけですが、実は他社でも22mmを扱っている例があります。それはドウシシャの「システムワイヤーラック WR22」です。幅85cmサイズのみですが、ドウシシャWR22のほうが耐荷重が大きく(棚板1枚あたり65kg、ラック全体325g)、それでいて価格はいずれも1千円程度安く、送料も込みと大変お買い得です。

一方で、ニトリなら幅60cmや115cmもあります。別売棚板や棚板用シートの用意もあります。さらに、全サイズともクロムメッキのほかにホワイトやブラックも選ぶことができます。

それほど重いモノを乗せる必要がなく、なおかつカラーやサイズに選択肢があったほうが良い場合はニトリのCUSTOMシリーズを選ぶと良いでしょう。逆に、もっとこだわりたい場合はポール直径25mmの豊富なパーツを選ぶことができる「ルミナス互換ラック EL25」を軸に検討されることをオススメします。

 

【φ19mm】スチールラックSTANDARD

スペック

ポール直径 19mm
棚板ピッチ 25mm
キャスター 別売
カラー 3色
耐荷重 棚板1枚あたり 30kg
ラック全体 100kg

ラインナップ

段数等 サイズ(mm) 税込価格
65cm 2段 645×295×800 2,990円
3段 645×295×1155 3,990円
4段 645×295×1512 5,490円
追加棚板 645×295×33 999円
リバーシブルボード 630×280×5 999円
PPシート 626×276×1 599円
85cm 2段 845×295×800 3,490円
3段 845×295×1155 4,990円
4段 845×295×1512 5,990円
追加棚板 845×295×33 1,190円
リバーシブルボード 830×280×5 1,190円
PPシート 826×276×1 699円
キャスター4個セット 65×38×75 599円

スチールラックSTANDARDはポール直径22mmのCUSTOMよりも細い19mmのポール、かつ棚板の奥行はCUSTOMの約40cmに対して約30cmに浅くなります。棚板1枚あたりの耐荷重もCUSTOMの40kgに対して30kg。すべてがコンパクトな仕様となっています。

幅は2サイズのみで、それでいてSTANDARDとは一体どういうことかと思われる向きもあるかもしれません。ただ、上位のCUSTOMと後述するLTの間のシリーズであり、また売れ筋に絞っているという意味ではSTANDARDなのかもしれません。

ともあれ、ポール直径22mmと違って、同19mmならドウシシャやアイリスオーヤマも主力商品として扱っています。価格および仕様の面でニトリのSTANDARDシリーズと競合するのは、「ルミナス互換ラック EL19」「メタルミニ互換ラック SEM」あたりと言えます。いずれもクロムメッキのみながら、それぞれの互換パーツを使うことができ、耐荷重も大きいです。

また、ルミナス互換ラックならクリアコーティング仕上げでサビに強く、アイリスオーヤマの「カラーメタルラック」ならカラーやバリエーションが豊富です。一方で、総じてニトリのSTANDARDシリーズのほうが安いと言えます。

 

【φ15mm】スチールラックLT

スペック

ポール直径 15mm
棚板ピッチ 25mm
キャスター 別売
カラー 2色
耐荷重 棚板1枚あたり 20kg
ラック全体 60kg

ラインナップ

段数等 サイズ(mm) 税込価格
45cm 2段 445×295×670 2,490円
3段 445×295×980 2,990円
追加棚板 445×295×30 799円
リバーシブルボード 430×280×5 699円
PPシート 426×276×1 499円
キャスター4個セット 40×35×60 399円

スチールラックLTはポール直径15mm。この太さはニトリだけです。他社ならポール直径12.7mmというのがあり、それに比べると太いと言えるものの、LTの棚板の枠は薄くて耐荷重は棚板1枚あたり20kgと小さいです。

LTのサイズは概ねカラーボックス2段ないし3段に相当します。木製のカラーボックスに比べると丈夫ですが、スチールワイヤーラックとしてはかなり貧弱で、簡単に棚板がゆがみます。

なので、ぶっちゃけLTを買うくらいならSTANDARDの幅65cmサイズを買ったほうがマシだと思います。もしくは、同じサイズを希望するのでしたら、アイリスオーヤマの「カラーメタルラック」もしくは「ルミナスカラーラック」をチョイスされることをオススメします(いずれもポール直径19mm)。もっとも、これらもLTほどではないにせよ、棚板をゴムハンマーで叩いたら容易に変形しますけどね。

 

以上の通り、ニトリのスチールワイヤーラックは一言で言うと微妙です。CUSTOMとSTANDARDは全サイズとも3色展開という点は魅力的と言えるものの、価格で言うとCUSTOMよりもドウシシャのWR22のほうが安いですし、STANDARDよりもルミナスラックやメタルラックの互換ラックのほうが丈夫で豊富なオプションパーツを使うことができます。LTに関しては基本的に買う価値のないものと考えてもらって良いでしょう。

ニトリのCUSTOMとSTANDARDは別売棚板は用意されていますが、ポールや延長用ポールが用意されていないのが難点と言えます。こういう安いラックを買うとき、最初は「別にそんな必要ないさー」と思っていても、使っているうちに組み替えの必要が出てくるものなんです。そのため、こちらにもニトリのワイヤーラックの別売ポールを求めて来られる方が多いのが現状です。それで言うと、やはりルミナス互換ラックのほうが安心です。

耐荷重がそれほど必要ないのであれば、またニトリで購入したいということなら、現在はスチールワイヤーシェルフよりもニトリ版スチールユニットシェルフ「Nポルダ」のほうがオススメです。基本は奥行約30cmですが、奥行約40cmの「Nポルダ ディープ」もありますよ。

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